所有している空き家の管理のことを考えると頭が痛い…という方は多いかもしれませんね。空き家が遠方に存在する場合はなおさらです。少なくとも1か月に1回は行かなければいけないとか、老朽化を抑えるためにも適切な管理が必要だとか、素人には荷が多いことも多いでしょう。
近年は、そんな人のために「空き家管理代行サービス」が登場してきています。プロに管理を委託してしまうのです。メリットやかかる費用、活用のしかたなどを紹介していくので、空き家管理にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
空き家管理代行サービスとは?
依頼できること
費用をかけて空き家の管理を業者に委託するということは、自分で行う手間や時間を削減するということです。つまり、空き家管理における希望内容はほとんどまかせられるということです。
たとえば、
・室内の換気・通水・清掃
・庭木の確認や手入れ
・内部・外部の破損や雨漏りの有無確認
・郵便受けの確認
・防犯確認
・周辺の安全確認
・(雪国では)除雪・雪下ろし
というように、「資産価値低下を抑える」「安全を維持する」「近隣トラブルを防ぐ」といった空き家管理の目的を果たすためのことであれば、大体のことを網羅して依頼できるでしょう。
また、管理代行業者に依頼する大きなメリットとして、「プロの目線で空き家管理をしてもらえる」ということも挙げられます。素人では気づけないようなことも、専門家であれば細かいことまで目を配って、トラブルも小さいうちから早期発見してもらえることも可能でしょう。
自分だけで空き家の管理を背負い込まなくてもいい、という安心感があるのも嬉しいところです。
費用はどのくらいかかる?
一般的な相場としては、月に1回の空き家訪問管理で5,000~10,000円というのが目安になるようです。
もちろん地域差・業者間での差というものがあるので一概には言えませんが、このくらいの金額だと思っておくとよいでしょう。
空き家がかなり遠方にある場合は、交通費だけでも1万円以上かかってしまう、ということもあるでしょう。そう考えると、十分に「元は取れる」と考えてもいいケースがあるはずです。
後述しますが、とにかく費用を抑えて最低限の確認だけでも、という場合には1か月100円からというサービスを提供してくれるような業者もあります。金額もサービス内容も、自分の希望を叶えてくれるところを選びたいですね。
空き家管理を外部委託するメリット
手間や時間を大幅に削減できる
前項でも少し触れましたが、空き家が相当な遠方にある場合は、月に1回でも訪問と手入れを行うのは大変です。時間や手間がかかるのはもちろん、費用もかかるでしょう。
管理を専門業者に外部委託するともちろん費用はかかりますが、交通費や場合によっては宿泊費もかかることを考えると、また時間や手間といったものもコストとして考えると、結果的には外部委託の方がコストパフォーマンスが良いというケースは多いでしょう。
スケジュールや移動を考えるわずらわしさから解放されるのは、かなりのメリットといえるはずです。
専門家の知識やノウハウに頼れる
こちらも前述したように、管理をお願いするのはその道の専門家です。素人が気づかないことにもプロの目線で対応してくれるという安心感があります。
空き家の管理の知識というものは、素人がなかなか得られるものではありません。知識がなければ見過ごしてしまうような小さなトラブルも、プロにまかせておけば心配ないですね。
空き家の今後についても相談できる
「自宅として使うにも修繕が必要で、どうしたらいいか」「賃貸物件として活用したいが何が必要か」など、先を見据えた空き家活用計画について考えたとき、相談に乗ってもらうことも可能です。どのように空き家を使っていくかということによって、管理の方法も変わってくるかもしれません。そんなことも併せて相談できるでしょう。
空き家管理を外部業者に委託する際のポイント
空き家管理の目的を明確にしておく
まず、その空き家は何のために管理するのか、いつまで管理するのか、ということを明確にしておかなければなりません。
今後修繕も視野に入れたうえで住む予定はあるのか、人に貸すなどで資産運用するのか、何も考えていないけれどとりあえずの維持なのか…
最終的に空き家をどうしたいのかを考えておかなければ、「そもそも専門業者に委託して費用をかけてまで、維持管理自体が必要なのか?」という根本的な疑問まで出てきます。
最初に空き家管理の目的をはっきりさせておくところから始めましょう。
業者にはどこまで管理してもらうのか
空き家管理をもし自分で行うとしたら、1番のメリットは「なんでも自由にできること」でしょう。あれもしておきたい、これもしておきたいということは、時間さえあればすべてできます。
外部業者に委託するとなると、そうはいきません。業者によっては管理内容がパッケージ化されているでしょうし、あれもこれも依頼すると費用が跳ね上がる恐れもあります。だから「何をどこまでお願いするか」「何を重視するのか」を、まず明確にしておくことが大事です。
予算はどのくらいで考えるか
どこまで管理してもらうのか、何をしてもらうのか、いつまで依頼するのかを具体化したら、それに合わせて予算を考えます。
費用をかけてでも業者に委託する価値があるということでも、お金を払うべきところ・払わなくてもいいところはあるものです。頼むべきことを先に考えておくことで、天井知らずの予算になることは防げるはずです。
空き家管理サービスの選択ポイント
「最低限の確認でいい」「費用を抑えたい」なら空家・空地管理センター
「NPO法人空家・空地管理センター」というところの空き家管理は、なんと予算100円から対応してくれるという、驚きの低価格設定が特徴です。
100円サービスの場合は「外部からの確認・看板の設置・写真撮影」のみとなりますが、今後空き家を活用する予定がなく、取り壊すつもりなのでとりあえずそれまでの管理、といった場合にはうまく活用できるでしょう。
もちろんしっかりとした管理サービスのコースも用意されています。細かくオプション設定が可能なので、お願いしたいことや予算に合わせて相談できます。
防犯重視なら警備会社
ALSOKのような警備会社の管理サービスであれば、出入りする管理人は警備員であるため、防犯を重視した空き家管理を希望する人には最適でしょう。
空き家の中に貴重品があるような場合には、警備会社の空き家管理サービスが安心です。
そつなく安心のサービスを求めるなら大手不動産会社
空き家といっても自分の家であることには変わりないので、いくら管理業者といえどもそこに他人が出入りするのは不安、という方もいるでしょう。
そういう場合は、誰もが名前を知っているような大手の不動産会社の管理サービスを利用してみてはいかがでしょうか。信用をなくすようなずさんな対応はされないはずです。
大手ならではのノウハウや事例もたくさん持っているでしょうから、そつなく全般的に安心なサービスを提供してくれることが期待できます。
まとめ
・個人で空き家管理をするのが大変な人のために、近年は空き家管理代行サービスが登場してきている。1か月5,000~10,000円ほどで利用でき、サービス内容も豊富である。なんといっても手間や時間を大幅に削減できるところに大きなメリットがある
・業者にはどこまでの内容で依頼するのか、あらかじめ明確に考えておくことで、ポイントを絞った管理をお願いすることができる。予算とともに、しっかり練ってからの利用を検討しよう
空き家管理代行サービスのメリットに魅力を感じられる方、個人の管理に限界を感じる方は、ぜひ利用を検討してみるとよいですね。